夏富士

夏富士に登らむと友に誘はれて朝の暗きに五合目を発つ

 

八合目の岩にやすらひ見おろせばなだりに大き富士の影あり

 

五歩登り三歩攀ぢ行く富士の嶺ふんばりどころの九合五勺

 

富士の嶺に立てば眼下の黒雲のなかを雷鳴の轟きてゐる

 

荒あらと天に叫びをあぐるごと富士噴火口の風の音きく

 

美しき富士は仰ぎ見るべしと砂塵をあげつつ一気にくだる

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